雪国くらしの情報web

雪国くらしの情報は、越後魚沼の楽しい情報が集まる地域密着型の情報サイトです!

雪国 vol.67

雪国 vol67

車から降りた瞬間、ぶるっと震えた。山の中は気温が数度は違う気がする。元小学校だった美術館の中は底冷えがした。
その寒さは、かつて子供たちの声に埋まっていた教室の扉を開けた時、消え去った。魂に響く衝撃だった。教室全体に広がる大きな絵の数々。白一色の細かい線と単純な形だけで描かれた、素朴なはずなのに繊細で洗練された絵。古い歴史を持つワルリー画は、不思議なほど未来的だった。
暑熱のインドからやってきたアーティストたちが、雪国に暮らして描いているという。物質ではなく精神が支配する国の人たちが雪に触れて生み出していたのは、時間と空間を超越した世界だった。
その絵の前にずっと座っていたかった。ただ、じっと座っていたかった。

ページのトップへ戻る