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雪国 vol.80

雪国 vol80

子供の頃、早春の主役はつくしだった。当時子供たちが意味もわからずに「キカンコ」と呼んでいた場所にいくと、草相撲に使う立派なおおばこやぺんぺん草など、いいものが手に入った。
つくしをたくさん採って家に持ち帰る。やがてスギナとなって母の庭の邪魔者となるのだが、しかられた記憶はない。雪が溶けて真っ黒な大地が出てきた後に顔を出す、待ちに待った春のしるしだったから。
大人になって何十年も暮らした土地にはつくしがなかった。つくしを見たのは生物の授業の時アルコール漬けになったものだけ。1年中夏のようなところだった。
今、季節の変化を知らせてくれるものに囲まれそれをしっかりと感じ取っていると、生きていることを実感し、生き続ける力が湧いてくる。

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