雪国 vol.83
やっとたどりついたその橋は、清流の上を緑の山から緑の山へと渡る吊り橋だった。幅はそれほど狭くないから走って渡れそう。
が、一歩踏み出したらゆれ方が半端じゃなかった。手すりが弱々しいし、下を見るとまっ青に透き通った急流に目が回る。途中で引き返そうかなあとちょっと思った。いやいや、ずっと渡ってみたいとあこがれていたのだから。なんとか無事渡って戻ってきたときはほっとした。
後で知ったのだが、この橋は「ゆれる」という映画のロケ地になったらしく、なるほどゆれたはず。
それにしても美しい橋だった。向こう岸の暗闇はきっと魔法の世界の入り口だろう。
この次はスキップしながら渡って、トトロの森の奥まで行ってみるつもり。