雲蝶　vol.5

この神馬は雲蝶200周年の節目の年に、奇跡的に陽の目を見ることになった作品です。雷土集落の中にある雷土神社の、暗い拝殿の奥に長い間眠っていた馬です。
数人のお年寄りしか記憶になかったこの馬は、昔は子供たちの遊び相手で馬にまたがって遊んだ覚えがある、という集落の人もいました。
農耕馬はとても大事にされ、こうして神社に奉納し豊作を祈ったのです。しかし、体中キズだらけで痛々しい限りですが、この神馬を1本の木材から掘り出すことは困難ですので頭、胴体、脚を別々に彫って組み込んだものです。
両脇のお腹の丸いキズあとは 、中に手を入れて作業をするために、どうしても必要だった穴です。終了後、キズあとをふさいで、何事もなかったかのように長い間、子どもたちの遊び相手になってくれた、雲蝶には珍しい神馬の作品です。