雪国 vol.51

玄関の上にツバメの巣が新築された。やがて黄色いくちばしが5個並ぶようになったが、数日後に一番最後に生まれた子が、1週間後には2羽目が落ちて死んでしまった。自然は厳しい。
残ったヒナたちは、家の前を通る人たちに見守られながら育っていく。3週間後、巣立ち。家族5羽で飛行訓練。大空を自由に飛び回る喜びが全身から伝わってくるような、キューンという音が聞こえてくるような旋回飛行。
そして暗くなる頃、裏庭の木のてっぺんで3羽一緒にうずくまって眠った。その木の下には、空を飛べなかった妹弟が眠っているのだった。
ツバメは遠い国からやってくるんだから優しくしてあげなさい、友人はお母さんにそう言われて育ったという。ツバメたちを見ていると、人の心も優しくなる。